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宅地建物取引業~自ら売主となる場合の8つの制限⑤~

宅地建物取引業~自ら売主となる場合の8つの制限⑤~

札幌の行政書士法人Aimパートナーズです。


今回も引き続き、宅建業者が自ら売主となる場合の制限に関するお話しをいたします。


[目次]


制限⑤:損害賠償額の予定等の制限

◆さいごに




〇制限⑤:損害賠償額の予定等の制限

宅建業法では、宅建業者が自ら売主となる場合には、損害賠償額の予定等についても制限され、以下のとおり定められています。


<第38条>

宅地建物取引業者がみずから売主となる宅地又は建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額代金の額の十分の二をこえることとなる定めをしてはならない。

2 前項の規定に反する特約は、代金の額の十分の二をこえる部分について、無効とする。


また、民法では損害賠償について以下のように定められています。


<第415条>

債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない

2 前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において、債権者は、次に掲げるときは、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。

一 債務の履行が不能であるとき。

二 債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。

三 債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。


<第416条> 

債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。

2 特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見すべきであったときは、債権者は、その賠償を請求することができる。


<第417条>

損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める。


上記の通り「損害賠償」は、債権者が債務者に対し、債務者の債務不履行によって損害が生じた場合にその賠償を請求し、債務者から原則として金銭で支払われるものです。

具体例としては、売買契約を締結し買主が代金の支払いを済ませた後に、物件の引渡し前に売主の火の不始末が原因で当該物件が焼失した場合などが挙げられます。


しかし、損害賠償の請求は債務者に帰責事由がある場合に限られており、帰責事由がない場合には損害賠償の請求はできない点に注意が必要です。

また、実際に損害賠償の請求がなされても、実害の額を巡って話がまとまらず、裁判を起こすなど時間や費用がかかる場合も少なくありません。


そこで、「損害賠償額の予定」というものが存在します。


<第420条>

当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。

2 賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。

3 違約金は、賠償額の予定と推定する。


損害賠償額の予定とは、当事者間で債務不履行になった場合の損害賠償の額をあらかじめ合意しておくことをいい、当事者双方が債務不履行に陥った場合の金額をあらかじめ把握することが可能です。

損害額について実際に証明する必要はなく、債権者側は例え実害がゼロであっても予定額を得ることが可能ですが、反対に実害が予定額以上に高額であった場合でも予定額しか得ることはができません。


債務者側としては、賠償額の設定が低額の場合、実害が発生した際の高額な賠償のリスクを防ぐことが可能です。

しかし、あまりにも行き過ぎた予定額を設定した場合には相手方が不利益を被ることに繋がります。

その為、宅建業法では宅建業者が自ら売主となり、一般消費者である買主との間で債務不履行による契約解除をする場合の「損害賠償額の予定」「違約金の約定」をする場合には、それらの合計が代金の20%を限度とする旨を定めています。


もしも20%を超えた損害賠償の予定額・違約金の約定をした場合は、20%を超えた部分については無効となり、自動的に20%になります。

尚、「違約金」とは、債務者の不履行があった場合に支払う旨を、債権者にあらかじめ約束した金銭のことをいい、民法第420条第三項から賠償額の予定と推定されています。



○さいごに

いかがでしたでしょうか。

損害賠償額の予定・違約金の約定、どちらも定める場合はそれらの合計額が20%である必要があり、損害賠償の予定額を20%、違約金の約定についても20%など、それぞれを限度額まで設定できるわけではありませんのでご注意ください。

また、損害賠償予定額を定めることは必須ではない為、定めないことも可能です。

この場合に債務不履行があった場合には、債権者は実害額全額の損害賠償請求が可能であり、代金の20%には制限されません。


上記に関するご質問・ご相談などがございましたら、行政書士法人Aimパートナーズまでお気軽にお問い合わせください。

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