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行政書士法人Aimパートナーズ
宅地建物取引業~住宅瑕疵担保履行法~

札幌の行政書士法人Aimパートナーズです。
今回は、住宅瑕疵担保履行法についてご説明をいたします。
[目次]

○住宅瑕疵担保履行法とは
住宅の品質確保の促進等に関する法律により、新築住宅の売主は、住宅の引渡しの時から10年間、構造耐力上主要な部分又は雨水の侵入を防止する部分の瑕疵について、瑕疵担保履行責任を負うことになります。
新築住宅であるにも関わらず、雨漏りするような欠陥住宅である場合などに該当することになります。
しかし、賠償責任等があったとしても、売主に十分な資力がなく、倒産してしまったような場合には、買主は保護されません。
その為「住宅瑕疵担保履行法(正式名称:特定住宅瑕疵担保責任の確保等に関する法律)」が定められ、売主に資力確保の義務が課せられています。
以前にお話しした、営業保証金とシステムが似ており、宅建業者が自ら売主となり一般消費者である買主に新築住宅を売り、引き渡した場合は保証金(住宅販売瑕疵担保保証金)を供託しなければならず、買主が新築住宅の主要部分等の瑕疵により、瑕疵担保責任を追及する時は、その保証金から還付を受けることが可能です。
住宅瑕疵担保履行法が適用されるのは、宅建業者が自ら売主となり買主が一般消費者である場合で、新築住宅(建設完了から1年を経過していない、かつ、居住者がいないこととが必要)の構造耐力上主要な部分又は雨水の侵入を防止する部分の瑕疵である場合に限られ、宅業者建間の取引や、“自ら売主”ではない媒介・代理業者には適用がありませんのでご注意ください。
○住宅販売瑕疵担保保証金の供託
供託する住宅販売瑕疵担保保証金の額は、基準日(毎年3月31日)において、その基準日前10年間に買主に引き渡した新築住宅の戸数で決まります。
1戸目が2,000万円、2戸目以降はそれに加算されていきますが、住宅の床面積が55㎡以下の場合は、2戸をもって1戸と数えることになっている為、床面積が小さい住宅の場合は住宅販売瑕疵担保保証金は少なくて済むことになります。
営業保証金と同様に住宅販売瑕疵担保保証金も、主たる事務所の最寄りの供託所に、金銭又は有価証券により供託を行います。
有価証券の評価についても同様であり、以下の通りです。

主たる事務所の移転による保管替え等についても、金銭だけで供託している場合には保管替えの請求、それ以外(有価証券のみ、金銭と有価証券)の場合には新たに供託が必要です。
買主が供託金から還付を受けた場合など、追加供託が必要な場合も、不足を生じたら2週間以内の供託及び供託した日から2週間以内の届け出が必要であり、営業保証金とほぼ同じシステムです。
また、宅建業者は基準日ごとに、基準日から3週間以内に免許権者供託状況を届け出なければなりません。
もし、供託金額の不足や供託状況の届け出がない場合には、基準日の翌日から50日が経過すると、宅建業者は自ら売主となる新築住宅の売買契約の締結が禁止となります。
なお、保証金の供託の他に、宅建業者が「住宅販売瑕疵担担保責任保険契約」という保険に加入するという方法もあります。
この場合は、保険の有効期間は10年以上であること、保険金額が2,000万円以上であること、保険の申込みは工事開始時までに済ませておくことなどが必要となります。
○さいごに
いかがでしたでしょうか。
営業保証金と住宅販売瑕疵担保保証金は非常に似ている部分が多くありますが、買主に対する説明義務の点で大きく異なります。
契約成立前に説明が必要である点は同じですが、営業保証金の場合は口頭でも問題ありませんが、住宅販売瑕疵担保保証金の場合には、書面の交付をしなければならないという違いにご注意ください。
上記に関するご質問・ご相談などがございましたら、行政書士法人Aimパートナーズまでお気軽にお問い合わせください。