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新株予約権の譲渡・行使・発行に関する瑕疵

札幌の行政書士法人Aimパートナーズです。
今回は、新株予約権の譲渡や行使、発行に関する瑕疵について、ご説明をいたします。
[目次]

○新株予約権の譲渡
<第254条>
新株予約権者は、その有する新株予約権を譲渡することができる。
2 前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみを譲渡することはできない。ただし、当該新株予約権付社債についての社債が 消滅したときは、この限りでない。
3 新株予約権付社債についての社債のみを譲渡することはできない。ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。
新株予約権の譲渡については、会社法で上記の通り定められており、取得について会社の承認を要する旨が定められている場合、新株予約権付社債についての制限を除き、新株予約権者は自由に譲渡することが認められています。
新株予約権付社債とは、新株予約権を付した社債のことをいいます。
この新株予約権付社債は、新株予約権の経済的価値の分だけ、社債の利息を低く抑えるという目的で発行されています。
○新株予約権の行使
<第282条>
新株予約権を行使した新株予約権者は、当該新株予約権を行使した日に、当該新株予約権の目的である株式の株主となる。
2 新株予約権を行使した新株予約権者であって第二百八十六条の二第一項各号に掲げる者に該当するものは、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二百八十六条の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、第二百八十六条の二第一項各号の払込み又は給付が仮装された新株予約権の目的である株式について、株主の権利を行使することができない。
3 前項の株式を譲り受けた者は、当該株式についての株主の権利を行使することができる。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
新株予約権を行使した新株予約権者は、その新株予約権を行使した日に、新株予約権の目的である株式の株主となります。
新株予約権の行使に際し、金銭を出資の目的とするときは、新株予約権者は、新株予約権を行使する日に払込金額の全額を払い込む必要があります。
○発行に関する瑕疵
新株予約権の発行についても、募集株式の発行等に関する瑕疵と同様に、事前・事後にそれぞれ、募集新株予約権発行差止め、無効の訴え・不存在確認の訴えという制度が設けられています。
①募集新株予約権発行差止請求権
以下に掲げる場合であって、株主が不利益を受ける恐れがあるとき、株主は株式会社に募集新株予約権の発行の差止めを請求することができます。
⑴新株予約権の発行が法令又は定款に違反する場合
⑵新株予約権の発行が著しく不公正な方法により行われる場合
尚、募集の手続きによらない新株予約権無償割当ての場合であっても、これらは類推適用(権利が発生する事実がある場合に、全ての要件を満たすわけではないが、条文が適用させること)されると解されています。(最決平成19年8月7日)
②募集新株予約権発行無効の訴え、不存在確認の訴え
<出訴期間>
⑴無効の訴え
新株予約権(新株予約権付社債についての社債を含む)の発行の効力が生じた日から6か月以内
非公開会社においては、効力が生じた日から1年以内
⑵不存在確認の訴え
制限なし
その他の手続き・無効事由の解釈に関しては募集株式の発行の場合と同様とされています。
○さいごに
いかがでしたでしょうか。
新株予約権付社債は、普通社債とは異なり、社債部分の他に、その社債を発行した会社の株式を決められて一定価格で買い取る権利が付されています。
新株予約権の行使がされると、社債部分の金額が、その為に払い込まれたとみなされます。
新株予約権の行使によって発行される株式数や、新株予約権を行使できる期間などは、予め決められておりますので、ご注意ください。
上記に関するお問い合わせの他、法人設立に関するご相談・ご質問などがございましたら、行政書士法人Aimパートナーズまでお気軽にお問い合わせください。