|行政書士コラム 詳細
法的手続き2000社以上のご支援実績
行政書士法人Aimパートナーズ
持分会社③

札幌の行政書士法人Aimパートナーズです。
今回も引き続き、持分会社についてご説明をいたします。
[目次]

○業務の執行・会社の代表
<第590条>
社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行する。
2 社員が二人以上ある場合には、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。
3 前項の規定にかかわらず、持分会社の常務は、各社員が単独で行うことができる。ただし、その完了前に他の社員が異議を述べた場合は、この限りで ない。
持分会社では、原則として各社員が業務執行にあたり、株式会社とは異なり、会社の所有と経営は分離されていませんが、定款で定めることにより、一部の社員だけを業務執行社員とすることも可能です。
「常務」とは、会社が日常的に行う業務のことをいい、各社員が単独で行うことができますが(その完了前に他の社員が異議を述べた場合を除く)、定款に別段の定めがない限り、社員が2人以上いる持分会社の業務は、社員の過半数をもって決定することになります。
業務執行社員でない社員は、常務についても行うことができない点にご注意ください。
また、各社員は業務執行社員であるかどうかにかかわらず、原則として、持分会社の業務および財産の状況の調査をすることができます。
持分会社の業務執行社員は、会社を代表します。
持分会社では、定款で業務執行社員を定めた場合を除き、各社員が業務執行社員となり、業務執行社員が2人以上いる場合には、各自が会社を代表することになります。
ただし、定款又は定款の定めに基づく社員の互選により、業務執行社員の中から会社を代表する社員を定めることも可能です。
会社を代表する社員は、会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有し、この権限に加えた制限は、善意の第三者には対抗することはできません。
つまり、例え会社の内部で代表社員の権限について制限を加えていたとしても、代表社員の権限の制限について知らずに代表社員と契約を締結した外部の取引先は、保護されるということになります。
○定款の変更
持分会社の定款は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって変更が可能です。
定款の変更により、合名会社から合資会社(有限責任社員を加入)など、持分会社の種類の変更をすることもできます。
<第638条>
合名会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。
一 有限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社
二 その社員の一部を有限責任社員とする定款の変更 合資会社
三 その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更 合同会社
2 合資会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。
一 その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更 合名会社
二 その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更 合同会社
3 合同会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。
一 その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更 合名会社
二 無限責任社員を加入させる定款の変更 合資会社
三 その社員の一部を無限責任社員とする定款の変更 合資会社
合資会社は、有限責任社員と無限責任社員がそれぞれ1人以上存在する会社です。
その為、以下の場合、社員の退社による定款のみなし変更が行われたものとみなされます。
・有限責任社員の退社により、無限責任社員のみとなった場合 ⇒ 合名会社となる定款変更をしたものとみなされる
・無限責任社員の退社により、有限責任社員のみとなった場合 ⇒ 合同会社となる定款変更をしたものとみなされる
○持分会社の解散
持分会社は、以下に掲げる事由によって解散します。
①定款で定めた存続期間の満了
②定款で定めた解散の事由の発生
③総社員の同意
④社員が欠けたこと。
⑤合併(合併により当該持分会社が消滅する場合に限る。)
⑥破産手続開始の決定
⑦第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第二項の規定による解散を命ずる裁判
①~③に掲げる事由によって解散した場合、会社の清算が結了するまでは、社員の全部又は一部の同意により、持分会社を継続することが可能です。
尚、持分会社を継続することについて同意しなかった社員については、持分会社が継続することとなった日に退社することになります。
○さいごに
いかがでしたでしょうか。
持分会社の定款のみなし変更は、「組織変更」とは異なります。
組織変更とは、一般的には、会社内部の部署等の組織の組み替え、組織形態の変更を指すことが多いですが、会社法では、組織を変更することにより、持分会社(合名会社、合資会社、合同会社)が株式会社となること、又は、株式会社が持分会社となることをいいます。
合名会社から合資会社・合同会社への変更、合資会社から合同会社への変更など、持分会社の種類の変更と混同しないようにご注意ください。
上記に関するお問い合わせの他、法人設立に関するご相談・ご質問などがございましたら、行政書士法人Aimパートナーズまでお気軽にお問い合わせください。